飯尾醸造さんの富士酢の詳細

「美味しんぼ 第397話」や「どっちの料理ショー」で紹介されてご存知の方も多いと思います。
天橋立で名高い丹後の宮津にある飯尾醸造の創業は明治26年、現代の飯尾毅当主は4代目になります。
無農薬米を使い始めたのは3代目が昭和36年からで、当時DDTやエンドリンなどの農薬が問題となっていたのが
きっかけです。

無農薬有機栽培の米作りは地元の丹後半島山あいの上流域の千枚田で、4代目の母方の里(竹本さん)が
中心となって現在27戸の生産者で取り組んでいらっしゃいます。お米は全体の1/3が手植え、なるかけも行うなど
昔ながらの作り方です。最近では鳥取大学農学部の津野幸人先生の紙マルチなどにも取り組んでいます。

米の品種はコシヒカリ(6割)と五百万石(酒米4割)。その無農薬新米を完成した富士酢1Lあたり200gもの量を
使っています。一般の大手の米酢は1Lあたり40g以上で米酢の表示をしています。米だけでお酢を作ると
最低120g/Lの米が必要なので、その不足分はもちろん混ぜものです。富士酢がこれらの米酢と比べて酸度も
濃く、香りも濃いので薄めてものびがよいのは当然です。

お酢作りの工程は一言でいうとまず米酒を作り、それを米酢にするわけです。そのお酒までに約50日、その
純米酒を表面発酵法でお酢にするのに3〜4ヶ月、そして8ヶ月以上熟成するので、仕込みから完成まで
1年1ヶ月以上かけています。そのひとつひとつの工程に熟練した職人の手と勘を必要としています。

大手メーカーのお酢作りは速醸法で2〜3日で作り上げています。良心的な所でも1ヶ月前後がほとんど。
速醸法だと「つーん」と刺激臭のある、こくのない米酢になってしまいます。これは揮発性の高い酢酸が
たくさん出来るからです。それに対して富士酢では乳酸、グルコン酸、コハク酸など不揮発酸が多く出来、
その分まろやかでこくがあるのです。こういう発酵臭独特の香りが苦手な人もいますが、そのような人は
醸造用アルコールで作ったアルコール酢でも飲んでいただくしかありません。酸っぱければ酢と思いこん
でいる人、本来お酢は酸っぱいのは当たり前ですが、美味しいものなのです。市場の大半を占める大手の
量産酢は味もくせもないものです。

戻る